子供を結婚させた後の親というのは、これであの子も一人前という気持ちと同時に、一抹のさびしさを感じているもの。ときどき顔が見たいのです。たとえば、比較的近い場所に住んでいるのなら、たまにはいっしょに出かけましょう。そうでなくても車をもっていたら、デパートへ行くときや雨の日の外出に「よかったらお送りしましょうか」と言ってちょこちょこ顔を出してくれるだけでもうれしいものなのです。このごろ、新婚の所帯をお嫁さんの実家のそばにするカップルがふえているのはご存知ですか。別に婿入りしたわけでもないのに、男性もしだいにそちらに出入りするようになって、行事の参加も比重が傾いてしまい、さびしい思いをしている夫側の親もそのぶん多くなっています。近くて便がいいのでしょうけれど、おつきあいのバランスはせめてフィフティーフィフティに。たまには両家合同で集まることを若い夫婦が企画するのも一案です。電話を取ったら、お義父さん、あるいはお義母さんから。まあまあ、どうもご無沙汰いたしまして、お元気ですか、ええこちらはおかげさまで、そういえば先日はおいしい梨を送っていただきまして……などと話をしているうちにどんどん時間が経ってしまう、といったようなことはよくありがちです。たぶん本音は早く息子と話をしたいのですから、ごあいさつはほどほどにして、いち早くそれを察して代わってあげましょう。ご両親にとって孫の誕生は、子供の結婚と同様か、もしかしたらそれ以上の喜びをもたらします。お宮参りだ、初節句だ、初めて歩いたと何でも声をかけてほしいのです。気軽に会いにこられないような遠くに住むご両親なら、写真やビデオを送ったり、いくらマメにしても足りないくらいです。逆に赤ちゃんにも、これがおじいちゃんとおばあちゃんよ、と言って写真を見せて顔を覚えさせるなどの配慮も大切。やっと会えたのに「知らないおじいちゃん」なんて泣かれたら、ご両親もがっかりしてしまいますから。くり返し言ってきましたが、いちばん喜んでいただけるのは、モノやおカネではなくメンタルな部分です。「いっしょに出かけませんか」「食事でも」と誘うことは、たとえ断ったとしても、うれしく感じていないわけがありません。小さなことでも相談し、安直に年より扱いしないなど、ちょっとした心づかいの積み重ねがよい関係を保つ秘訣です。
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