ランソンまでのタクシーはひとりニドルだった。連れていかれたのは、車の修理工場のようなところだったが、そこにミニバスが二台ほど停まっていた。すでに乗客は乗りはじめている。どうも満席になって出発するシステムのようだった。ミニバス会社の男が、なかでチケットを売るから、と奥にあった薄暗いオフィスを指さした。久しぶりの英語のやりとりだった。ハノイまでのミニバス代はひとり十五ドルだった。少し高い気がしたが、ベトナムの物価がまったくつかめていない状態では同意するしかなかった。
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国境を陸路で越えていく場合、このときの運賃交渉がいちばん難しい。国際空港を利用するときは、それなりの情報もあるし、利用客も多いから、空港で客引きなどと話していると、だいたいの金額がわかってくる。しかし陸路の場合は、相場が読みづらい。バス代をぼられやすいのだ。しかし僕らは先を急いでいた。ベトナムからラオスを抜けてタイに行くつもりだったが、どんなルートでバスが走っているのかもわからなかった。ひょっとしたら、バス便はなく、車をチャーターしなければいけないかもしれないとも思っていた。